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弁護士が教える「コロナ禍における業務委託解除」

新型コロナウィルス対策 業務委託解除

一口に業務委託といっても、一般事務等の仕事の完成や成果を目的としない性質のものもあれば、美術工芸品の制作のように特定の物の完成を目的としたものもあります。
いずれであっても、新型コロナウィルスの影響で業績が悪化したことを理由として解除されてしまうと、仕事を依頼してくれた方が悪いわけではないので、契約関係を維持することは難しいです。この点が雇用契約との大きな違いであり、業務委託は良くも悪くも縛りの弱い契約ですそれはそうとして、委任者、注文者から業務委託契約を中途解約され、せっかく仕事をしたのに報酬がもらえないのではあまりに受託をした方に酷です。そこで、以下、業務委託の種類ごとに、割合的にでも報酬請求ができるかを説明します。。

仕事の性質によって変わる業務委託

仕事の完成や成果を目的としない性質の業務委託については、提供した仕事の分しか報酬をもらえないので、新型コロナウィルスによる影響を理由として解除されてしまうと、それまでに提供した仕事に対する報酬を得られるにとどまります。
仕事の完成や成果を目的とする性質の業務委託については、仕事の結果が分けて考えられるものなのか、そうでないのかによって変わってきます。
例えば、肖像画を書くことを依頼された方が、絵が全体の半分程度完成した段階で、新型コロナウィルスの影響により業務委託解除をされた場合を想定します。依頼を受けた方は、絵を半分書いているのだから、約束した報酬の半額程度は得たいと思うでしょう。しかし、この場合、民法上は1円も報酬を請求することができません。もちろん、契約書でこのような場合に割合的に報酬を請求できると定めていれば、半額の報酬を請求することができますが、そのような条項が入っていることは稀です。

絵を描くイラスト            会社のイラスト

他方で、例えば、家屋建築を依頼された方が、外壁塗装工事まで完了した段階で、依頼主が新型コロナウィルスの影響により経営不振となったことから、業務委託解除をされた場合は報酬請求できる余地があります。この場合、依頼をした方は、経営状態が回復してから再度、他の業者に家屋建築を依頼することができ、その場合には外壁塗装工事までの工程を依頼する必要がなく、比較的割安に家屋を建築することが可能となるのが通常です。このように、業務委託の内容を分けて考えることができ、途中まで仕事をすることによって依頼主に利益が生じている場合には、利益の割合に応じた報酬を請求できます。建築のイラスト

業務委託の特徴

また、業務委託契約は、良くも悪くも縛りが弱いため、仕事を受けた方からの解除も比較的容易です。例えば、仕事の完成、成果を目的とする業務委託の場合、依頼主が新型コロナウィルスの影響で破産の手続を開始したことが明らかとなったことを想定します。このとき、依頼主が破産するのに仕事を続けなければならないこととなれば、これは受託者に酷です。そのため、受託者は、裁判所の破産手続決定があれば、契約を解除することができます。もっとも、この場合の割合的に報酬を請求する権利は、破産をした方の残っている財産に対し、他の債権者との関係において割合的にしか存在しません。つまり、本来請求できる額より大幅に減少する可能性が高いです。
以上のことから、業務委託解除を受けた場合には、業務委託の性質や種類、内容をよくよく分析して対応を決める必要があります。

 

 

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