労務チームの弁護士が教える問題社員対応の方法
近年社会問題化している「問題社員」対応
「仕事に必要なスキルが不足している」「周囲の社員との協調性がなく、トラブルばかり起こしている」「社外でもトラブルメーカーになっている」・・・そんな、いわゆる”問題社員”が近年増加しているといわれています。一方、従業員の権利意識の高まりや、労働環境に対する行政や社会の関心などもあり、こうした問題社員への対応を少しでも誤ると、大きな紛争に発展しかねません。
経営者の皆様にとって、問題社員はもっとも頭を悩ます課題でしょう。問題社員がいると、会社全体の士気が下がるだけでなく、他の優秀な従業員が離職してしまう恐れもあります。このため、喫緊の課題としてすぐに対策が必要です。社内に問題社員がいて対応に困っているならば、専門家に相談することをお勧めします。
問題社員との間に労働紛争を起こさないために
たとえ社内外で会社に不利益をもたらし、私生活でも問題行動があったとしても、簡単に雇用契約を終了することは難しくなっているのが現状です。一旦、労働紛争が発生すると、解決のために時間的・金銭的コストがかかり、企業は多大な不利益を被ります。
そのため、企業としては、まずは問題社員との間で紛争を避けるための対策を講じる必要があります。能力不足や会社への不利益をもたらしたという、一見妥当な理由からの解雇であっても、解雇された従業員側が「不当解雇である」と主張して会社を提訴する例が近年増加しています。このように、解雇によるトラブルは、会社にとって大きなリスクとなります。
当事務所では、「問題社員との円満な契約の終了」の相談に対応した実績があるほか、企業の人事担当者向けのセミナー等も開催しています。
労働契約を終了させる方法
問題社員との契約の終了について、主な方法を見てみましょう。労働契約を終了させるには、下記の3つの方法があります。
- 退職(辞職)
- 合意退職
- 解雇
退職は労働者本人の意思表示による労働契約の終了、合意退職は労働者・使用者の合意による労働契約の終了、そして解雇は使用者の意思表示による労働契約の終了です。
合意退職に必要となる「退職勧奨」
退職勧奨とは、人事権に基づいて雇用関係にある者に対し、自発的な退職意思の形成を促すために行う説得等の行為です。違法ではありませんが、適切な範囲で行うことが重要です。退職勧奨を行う場合には、違法とならないラインを見極め、それを越えないことが crucial です。
そのためには、使用者が直接退職勧奨を行わず、弁護士などの専門家が関与することで、法的リスクを低減できる可能性が高くなります。