破産手続きの流れ

破産手続きとは?

ところで破産手続きとはどのようなものなのでしょうか。日本の倒産処理手続きは、債務者の資産を処分して、これを債権者に平等に分配することを目的とする清算型の手続きと、債務者の事業を再建し、再建された事業から生じる収入・収益を債権者への弁済の原資とする再建型の手続きの2つに大別されます。前者の清算型手続きの中核が「破産」手続きであり、法人の場合は、解散して、法人格を喪失することになりますから、倒産手続きの最終手段といえます。

今回は法人破産の手続きの概要をご説明します。

①廃業・従業員の解雇

破産手続きを申立てる前に、まずは、事業を廃止し、従業員については解雇を行います。

②受任通知の発送

代理人弁護士から、債権者に対して、会社が破産申立てを予定していること、今後の連絡窓口が代理人弁護士となることを通知します。

③破産申立て

管轄の裁判所に破産手続きを申立てます。法人の場合、その運転資金等の借入れについて、法人の代表者個人が保証人となっていることが多いため、法人の破産申立てと同時に代表者個人の破産申立てをするケースが多くなります。

④破産手続開始決定

裁判所で正式に破産手続きが開始するための原則的な要件は、債務者の「支払不能」です。「支払不能」とは、債務者がその債務のうち弁済期にあるものについて、支払い能力がないために、一般的かつ継続的に弁済できない状態を指します。なお、「支払不能」の判断が困難な場合があることから、「支払停止」があれば「支払不能」が推定されます(破産法15条2項)。また、法人破産の場合は、「債務超過」すなわち、その債務についてその財産をもって完済することができない状態となっていることも破産手続きの開始原因となります。

⑤破産管財人の選任

破産手続開始決定と同時に、裁判所によって破産管財人が選任されます。破産管財人は、手続きを実質的に主導する立場にあり、破産手続きの中核的な役割を担います。

⑥債権者集会

破産手続開始決定後、破産管財人によって資産の回収等が進むと、債権者集会が行われます。債権者集会は形骸化していることが多く、実際に債権者が出席するケースは稀であり、簡易な事件では1回のみで終わりますが、複数回開催される事件もあります。

⑦破産手続きの終了

破産管財人の調査や資産回収等により、債権者への配当を実施できることになった場合には配当が行われ、破産手続きは終結します。配当ができないと判断された場合は、破産手続きは廃止されます。このような破産手続きの終了により、会社は消滅します。

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