クリニック・医療機関における問題社員対応(退職勧奨)

医療機関における従業員とのトラブル対応

クリニックも従業員を雇用する点で会社と同様です。従業員の権利意識が高まる中、雇用主は適切な対応方法を心得ておく必要があります。医療機関での従業員とのトラブルは、本来業務に重大な支障を生じさせる可能性があるため、迅速かつ適切な対応が求められます。

従業員との雇用契約関係を終了させたい場合

医療機関では様々な国家資格保有者が勤務しており、無資格の事務職員の指示を軽視する「問題社員」が生じることがあります。対応方法には段階がありますが、最終的には解雇となります。雇用契約関係を終了させる方法には以下の3つがあります:

  • 従業員の辞職
  • 従業員の合意退職
  • 解雇

辞職が最も理想的ですが、従業員の意思によるため不確実です。解雇は有効とされるためのハードルが高く、リスクが高い方法です。

退職勧奨による雇用契約関係の終了

合意退職を目指す方法として、退職勧奨があります。退職勧奨の適法性は、頻度、回数、勧奨する人数、環境、優遇措置の有無等、様々な要素を総合して判断されます。

残業代の請求に対応する場合

クリニックでは急な対応が必要となることもあり、残業代の請求がされることがあります。対処方法としては以下が考えられます:

  • 従業員の勤務時間中の私的活動の防止
  • 賃金体系の工夫
  • 時間管理・業務命令の工夫
  • 裁量労働制の導入

時間外労働時間の上限規制も考慮し、従業員の労働時間を再考する必要があります。

当事務所が対応した医療機関での問題社員に対する退職勧奨の例

事案

医療法人の事務局長の個人的な行為を事務員Aが周囲に吹聴し、院長が円満な退職を望んだケース。

解決

弁護士が面談し、名誉棄損等を説明した上で退職勧奨。口外禁止条項を盛り込み、退職となりました。

ポイント

弁護士を通しての話し合いにより、スムーズな退職勧奨が実現しました。直接対応によるリスクを回避し、本来の医療業務に集中できる環境を整えました。

深刻な労務トラブルになる前に弁護士に相談を

問題社員の存在は院内の雰囲気を悪化させ、生産性低下を招きかねません。適切な対応をするためには、法律の専門家であり医療機関に深い知識を持つ弁護士への相談が有効です。深刻なトラブルに発展する前にご相談ください。

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