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調剤薬局でのクレーム対応

調剤薬局でよくあるクレーム

 

調剤薬局を運営している中で、患者さんから様々なクレームを受けることがあると思います。ここでは調剤薬局で働いていれば誰でも一度は受けるであろうよくあるクレームについてお話をしていきたいと思います。

 

 

 

1.薬が入っていない(薬が足りない)

 

一番厄介で、よくあるクレームとして、薬の授受に関するものがあります。こうしたクレームは、皆さん一度は対応したことはあるのではないでしょうか。

その日渡したはずなのに、薬が足りない、薬が入っていないと電話で連絡を受けることがあると思います。

気難しい患者さんとなれば怒鳴ったり、しつこく薬を渡すように、せがんできたりすることもあるかと思います。

 

(1)渡し漏れを指摘されないための予防策

 

そこで、まず、このような事態が発生をしないための予防策を紹介します。

基本的なことではありますが、次の3つを気を付けましょう。

 

①投薬の際、患者さんと一緒に数を数える

 

初歩的でもっとも簡単な方法ですが、投薬時に一緒に数を数えるのは効果が高いです。

投薬時に一緒に数を数えた上で渡せば、相手方も薬が足りていることを納得して受け取っている訳ですから、当然効果が高くなります。

患者さん全員に行うことが難しいのであれば、特に確認の必要のある患者さん(一度クレームを受けた患者さん等)のみでも実施しておくことでも十分効果的です。

一緒に数を確認したら、薬歴に数確認等を残しておくと備忘や証跡にもなります。

 

②写真をとっておく

 

投薬前に渡す薬を写真に撮っておくことも行っている方はいらっしゃると思います。

写真に残しておけば渡した薬を後で確認ができ、仮に不足の連絡がきても写真という証拠があるので、証拠を見せることで解決することができます。

 

③薬のダブルチェック

 

これも初歩中の初歩ですが、薬局内でダブルチェックを行うことも効果的です。

二人で確認すれば、それだけ間違いも少なくなりますし、患者さんに間違いなく渡したということも自信をもって主張することができるでしょう。

これも調剤者のサインと監査者のサイン等を残しておくと後々の確認時に役立つでしょう。

 

 

 

 

 

(2)患者さんから薬の不足の連絡があった場合

 

上記のように色々な施策を講じたものの、患者さんから不足の連絡を受けてしまったらどうしたら良いのでしょうか。

大前提として、まずは落ち着いて確認をしましょう。すぐに薬は渡す約束はしてはいけません。

確認事項は下記のとおりです。

 

 

 

 

①薬局内での確認事項

 

 

 

 

 

 

・薬を渡した際の証跡の確認

 

上記で記載したように渡す時に残した証跡を改めて確認しましょう。一緒に数を数えたなら、患者さんにもその旨つたえられますし、写真があれば相手に送れます。また、ダブルチェックしたなら調剤者と監査者の二人に確認をとりましょう。

 

・在庫の確認

 

在庫管理を行い、理論在庫を有している薬局では、在庫の確認も行いましょう。薬局内での話ではあるものの、在庫の数が合っていることは、とても重要な証跡となります。

 

・残薬・カレンダーの確認

 

投薬した当日ではなく、少し時間が経ってから不足の連絡が来るケースもあるかと思います。この場合、何故このタイミングで?というところを考えると良いでしょう。

つまり、前回処方された薬が残っていて、今回渡した薬を服用し始めるタイミングが少し遅れるのであれば、不足の訴えにはある程度信憑性があります。逆に、そのような時間に関係なく問い合わせをしてこられた場合、患者さんが紛失した可能性があるため、残薬とカレンダーも薬局内で確認すると良いでしょう。

 

 

 

 

 

②患者さんへの確認

 

 

 

 

 

薬局内での確認が終わって、渡したことが明確になったら、その確認内容をもって患者さんへの確認も行いましょう。薬局内で確認したことも報告しつつ、疑問に思うことを確認することも重要です。

この時、薬局内で確認した事項を全面に押し出して患者さんを問い詰めるのは控えた方がよいでしょう。患者さんには、薬局内の確認状況は分からないので、一方的な意見の押し付けのように受け取られかねず、話し合いがまとまらなくなる可能性もあります。

 

 

 

 

(3)患者さんが納得してくれない場合

 

このような手順を踏んでも患者さんが納得してくれない場合、選択肢は単純に渡すか渡さないかの2択となります。

 

当然、投薬時に渡したのが明確なのであれば、患者さんが紛失したことになるため、改めて処方箋の交付を受ける必要が生じますので、その旨きちんと伝えましょう。

命に関わるような薬の不足を訴えている場合は、処方医と相談して対応を速やかに決める必要があります。

 

もっとも、この手の不足の訴えで多いケースとしては向精神薬の不足がトラブルとなることが多いです。そうなると、即命に関わるということもなく、また、安易に渡すと薬機法上の規制にも抵触することがありますので、毅然とした態度で対応することも必要となります。

 

しかし、あまりしつこく請求をしてきたり、請求の方法が恫喝や脅迫に近いというような場合は、自分たちだけで解決しようとはせず、処方医に情報共有したり、場合によっては、警察や弁護士に相談する等して、対策を検討することが重要と言えます。

 

以上見てきたとおり、薬の授受の問題はなかなか難しい問題です。対応すると精神的には相当疲れますし、時間もとられることになります。

このような事態が生じないように日頃から投薬の際の確認事項、在庫の管理等はしっかり行うようにして、大きなトラブルになることを防ぐのが重要と言えます。

 

 

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